ブログ一覧:薬膳話
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【2020.03.03】
「いつ何を食べたら良いか」のヒント
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 今日の内容は少し専門的になりますが、 清の時代書かれた中薬専門書《本草備要》の 一節をご紹介します。 ※《本草備要》は 清の時代(1694年)汪昂によって著されました。 「薬物には、それぞれ形、性、気、質がある。 形が似通っている者、 例えば連翹は心に似ているので心経に入る、 茘枝核は睾丸に似ているので腎経に入る、 木に属する者は肝に入り、 水に属する者は腎に入り、 潤者は血分に走り、 燥者は気分に入る。 質が相同の者、 例えば、薬物の頭は頭に入り、枝は四肢に入り、 皮は皮に行く。また、紅花は血に似ているので 血の類になる。これ自然の理。」 薬膳の考え方に、 「以類補類」(いるいほるい)という考え方があります。 これは、人体と似通った形や働きを相応させ、 病変に応用することを指します。 中国の伝統的な一種独特な考え方ですが、 非常に面白いと思います。 このようにして考えてみると、 徐々にどんな時にどんな物を食べたらよいのか 見当がつけられるようになります。 薬膳・中医学はメージがつけられるように なると一層楽しさが増します。 想像力を活かして、こんな症状の時はどんな食材を 食べたらいいのか、実際に試してはいかがでしょうか。 先人たちがしてきたように、トライ&エラーで。 たとえば・・・ 目のかすみや疲れにはレバーで改善。 理由:かすみ目や疲れ目の原因は、 肝血不足でレバーは肝血を増やす働きがあります。 旧ブログ「みんなの薬膳」2017年2月10日より抜粋
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【2020.03.02】
免疫力をアップしてがん予防
こんにちは。山内です。 以前、女性セブンの取材を受けた内容がウェブでも見ることが出来ますので、紹介します。 新型コロナウイルスが騒がれている今こそお伝えしたい「免疫力」についてお話しています。 簡単レシピも掲載されているので、是非参考にご自宅でも作ってみて下さい。 https://kaigo.news-postseven.com/14619
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【2020.02.28】
養生について
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 「養生」と聞くとすぐに「病気の後」、「中年以降、健康に注意を払う」 などと連想される方が多いと思います。 ですが本来の「養生」とは、身体強化・疾病予防・病後の回復など範囲は広いのです。 今日は、中医学での養生のポイントを紹介したいと思います。 自然界の陰陽に沿った生活 中医学の基本的な考え方に、 「整体観念(せいたいかんねん)」があります。 「そもそも人間というものは、天地の間に生命を受けているものである。 即ち天地の陰陽の気が感じあって出来たものが人間であるから、 天地の運行に逆らうことなく、春夏秋冬の四時の養生法にかなえれば、 天地は父母のごとくその人を慈愛し、百年の天寿を全うすることができる」と ≪素問・宝命全形論≫に書かれています。 自身を取り巻く、自然界・社会環境の変化は、 直接的・間接的に人体に影響を与えます。 私はよく当校の受講生の皆さんに 上記のような話をします。 皆さんの多くは、今までそのような考え方を してきていません。 ですが、一週間でもいいですから、 自然や社会からどのような影響を受けているか、 そして、それらが自身の身体や心にどのように 影響があるのかを感じていただきたいと考えています。 そうすることで、 自分なりの「養生観」や「健康観」が生まれてくるのです。 自然に沿った生活は、 今を生きる私たちには難しい部分もありますが、 出来る範囲でいいのです。 心掛けることが重要です。 ちょっとしたことの積み重ねで、 父母から与えられた大事な身体と心を 最後まで全うすることができるのです。 反対に、これに逆らった生活を続けることは 病が生じる原因となります。 新型コロナウイルスが様々に影響していますが、 こんな時だからこそ、自分のことを観察して 健康を保つ、ウイルスに負けない身体作りを していきたいですね。
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【2020.02.26】
この時期必見!春の養生法
皆さま、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 新型コロナウイルスの影響が様々なところに出ていますが、こんな時こそ、免疫力を上げる薬膳の力が必要なのではないでしょうか。 季節を上手に乗り越えることは、身体の免疫力を高めることに繋がります。 この投稿が、不安な気持ちを抱えている方のお役に立てれば幸いです。 今日は、薬膳・中医学のバイブルと言われる 《黄帝内経》に書かれている、 この時期に必要な一節をご紹介します。 《現代語訳》 「自然界には四季があり、それぞれに応じた 暮らし方というものがある。 春は発生の季節、つまり芽生えた万物と同じように、 心身に生き生きと陽気を発生させ、 天地の陽気を取り込み、体内の陽気を育てる。 これが春に相応する養生法である。 これに背くと春によく活動する肝気が痛む」 (四気調神大論) 大切なことは、 今の時期は気持ちをのびのびさせること。 五行で春と関連する臓腑「肝」は怒りや 抑鬱感情を嫌います。 朝は少し早めに起き、ゆったりとお茶を飲み、 一呼吸してから食事の支度などを始めて下さい。 朝のきれいな空気を十分肺に取り込むのも いいでしょう。 (花粉症でなければの話ですが) 洋服の色も黒から緑や青に衣替えです。 こんなことを心掛けると楽しい春を満喫出来ます。 春を健やかに過ごすと夏の暑さに負けることなく過ごす事が出来ます。 旧ブログ「みんなの薬膳」2017年3月29日より抜粋
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【2020.02.25】
プレ更年期
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 今日は、更年期のお話です。 更年期とは、 閉経前後10年位の期間を指します。 日本人の場合、大体閉経年齢は50歳前後ですが、 最近は30代後半~ 40代半ばの女性でも、 更年期総合症に似た症状に悩まされている ケースが増えてきているそうです。 このような症状が「プレ更年期」といわれるものです。 「もしかしたらプレ更年期かな?」と思ったら、 下記の「プレ更年期セルフチェック」をしてみて下さい ☑以前より疲労感体感 ☑頭痛・肩こりなど ☑ほてり・のぼせ・発汗 ☑抑うつ感、または、イライラ感 ☑冷え性 ☑不眠傾向 ☑肌のくすみが増えハリがなくなる プレ更年期は女性ホルモンの低下が原因ではなく (卵巣機能は働いています)、ストレスが原因と いわれています。 まさに自律神経が関係し、この自律神経は 身体の各器官の働きを正常に保つ重要な 役目を担っています。 この働きが上手くいっていないがために プレ更年期の症状として現れているのです。 まずは養生の原則=食事・運動・休養 シンプルですが、これが最大のポイントです! 私が個人的におススメなのが深呼吸です。 簡単でいつでもどこでも出来るのが一番。 リラックスできますので是非試してみてください。 大それたことは急にしないようにして下さい。 3日で終わります。(これホント!) ちょっとしたことでいいのです。 少しでも歩くようにすることや夜は早目に寝床に 早く入ることを少しだけ心掛けましょう。 寝る直前には、明日に希望を感じられるような イメージを持って寝ると良いですよ。 そして、薬膳では、 「疏肝理気」、「発散」を心掛けて下さい。 ストレスにはこれが一番です。 漢方薬では、 当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などが処方されます。 旧ブログ「みんなの薬膳」2016年7月25日より抜粋
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【2020.02.22】
目は口ほどに・・・
皆さま、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 昔から、「目は口程に物を言う」と言います。 人は「はい、分かりました」と言いますが、 はたして本当に分かっているのか、 それとも口先で分かったと答えているのか。 ちょっと相手の目を観察すると本当の事が 分かってしまいます。 それはなぜかと言うと、 五臓六腑の精気はみな目に注いでいるから。 目は全ての臓腑と密接に関係し、目を通じて 目の疾患だけでなく、臓腑気血まで診断できて しまうのです。 目に光彩があり、キラキラ輝き、物がはっきり 見える状態を私たちは「目力がある」といいます。 これは、身体全体の良さと精神の充実さを 現す表現です。 目頭や結膜が白っぽい時は、血液不足、 白眼が赤い時は熱風邪、 黄色くなると黄疸を現します。 目全体が赤くなると疲労やストレスを現します。 眼瞼下垂は、先天的な要素が関係し、脾と腎の 働きが弱いタイプに起こりやすい症状です。 目だけでもこれだけのことが分かります。 薬膳を勉強すると、占い師さんのようになります。 旧ブログ「みんなの薬膳」2017年4月19日より抜粋
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【2020.02.20】
不老不死!?
皆様、こんにちは。 今日のテーマは、「不老不死」。 私達は年を重ねるごとに老化していきます。 これは、自然の摂理ですから止めることはできません。 しわ・しみ・たるみなどは目に見える老化ですが、 目で見えにくい老化もあります。 例えば、味覚・視覚・聴覚・体力などなど。 これらの機能低下を遅らせることは出来るのでしょうか? 老化を遅らせるキーポイントは、 「成長ホルモン」だということは分かっています。 成長ホルモンは、思春期後期でピークを迎え年齢と共に減少します。 思春期後期がピークだなんて、ちょっと悲しい感じですが、 この成長ホルモンを味方につければ「不老不死」も夢ではないかも!? 成長ホルモンの働きは、骨・筋肉を作る、新陳代謝を上げる、 免疫を上げるなど人体に必要不可欠なホルモンです。 ですから、成長ホルモンをドンドン作り出すことが出来れば いつまでも若々しくいることが出来るはず! 薬膳的に言えば、 鶏肉・大豆・ナッツ類・ごま・レーズン・えび・玄米などがおすすめ食材。 薬膳を勉強した方ならお分かりかと思いますが、 これらの食材はほとんどが「腎」に帰経しています。 中医学では、腎はホルモンを主ります。 補腎がどれほど大切か、改めて「補腎」を意識して いつまでも元気で若々しくいてください。 旧ブログ「みんなの薬膳」2015年 12月 27日 より抜粋
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【2020.02.17】
舌を見て診断する方法【その2】
皆さま、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 前回の続きです。 ブログをアップしてから、再度、よくよく見てみると 点刺があるのを発見しました。 点刺は乳頭が増殖し、数が増えて多くなります。 これは、邪熱が体内にこもっている状態です。 点刺があると舌の色は紅色となります。 余りの膩苔に舌質の色を見落としてしまいました。 そこで、薬膳的にはどのように考えて施膳を するのかについてです。 舌が紅い: 体内の熱を取る食材を選ぶ 苔が黄色い: 体内の熱を取る食材を選ぶ 苔の位置: 脾胃の部分が厚くなっているので、 あっさりした味の物を積極的に摂る。 こんな風に舌を見て、薬膳を考えることが 出来ます。中医学って面白いですね! 旧ブログ「みんなの薬膳」2017年7月10日より抜粋
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【2020.02.16】
舌を見て診断する方法
皆さま、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 当校の中医コースでは、舌を見て診断する「舌診」を学びます。 今回は舌の診断法についてブログでご紹介したいと思います。 受講生のIさんの舌で解説します。 まず、舌自体の色は淡白色です。 白い色は、気血両虚、陽虚を指します。 つまり、Iさんは血の量が不足している、 或いは陽気が衰退している状態と考えます。 次に、舌の苔を見てみましょう。 苔の状態は、厚苔です。 苔で舌質が見えないので、「不見底苔」と称します。 また、苔が乾燥しているので、これは「燥苔」です。 これは、体内の津液不足を現し、考えられることは、 高熱、吐瀉後、温燥薬物の服用などによります。 また、膩苔が見られます。 膩苔とは、苔質が緻密で粒が細かく、中間が厚く 周辺が薄くなっている状態を指します。 これは、こすっても取れません。 膩苔の原因は、食積や脾虚湿困、阻滞気機などで、 苔の色が黄色いのは、痰熱、湿熱、暑湿などの邪が体内にこもっているためです。 では、薬膳ではどのような食事がいいのでしょうか? 次回はそれについて紹介したいと思います。 旧ブログ「みんなの薬膳」2017年7月7日より抜粋
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【2018.05.19】
アサヒ飲料様HPに掲載!「イライラの薬膳」
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの高尾です。 アサヒ飲料様の「チャレンジ100」というサイトで薬膳のお話とレシピを掲載させていただいています。 第3回目は、「イライラの薬膳」についてとイライラにおすすめの薬膳レシピ。 是非ご参考にして頂ければと思います♪ イライラの薬膳は★こちら
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【2018.05.09】
鎌倉商工会議所会報誌2018年5月号
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの高尾です。 鎌倉商工会議所の会報誌に2010年から隔月で薬膳コラムを担当させて頂いています。2018年5月号では「シミ予防の薬膳」ということでベリーベリーのヨーグルトゼリーをご紹介しました。ビタミンCで美白!さらに血の巡りを良くして老化防止にもおすすめのベリーを使った簡単ヨーグルトゼリーです。 http://www.kamakura-cci.or.jp/new-yakuzen/201805yakuzen.jpg △レシピはこちら! このヨーグルトゼリー、5月15日に開催する体質改善薬膳クラス「シミ予防の薬膳」でもお出しします。ご興味のある方は、是非お気軽にご参加下さい♪ https://kamakurayakuzen-academy.jp/experience/simi/ △講習会お申込みはこちら!
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【2018.04.20】
萩原先生が産後ママの薬膳を紹介
皆さま、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの高尾です。 中薬・方剤学担当の萩原先生が「mamadayママデイズ」というサイトで インタビューを受けました。 スーパーで手に入る食材で、簡単に作ることが出来る薬膳です。 とても分かりやすく産後ママの薬膳を紹介していますので、 是非チェックしてみてください。 https://www.youtube.com/watch?v=uMDxm9OpMyQ
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【2018.01.17】
アサヒ飲料様HPで薬膳レシピを紹介
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの高尾です。 アサヒ飲料様の「チャレンジ100」というサイトで薬膳のお話とレシピを掲載させていただくことになりました。 初回は、「風邪の薬膳」についてと風邪におすすめの薬膳レシピ。 是非ご参考にして頂ければと思います♪
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【2017.10.14】
秋の食養生
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 秋になって乾燥を感じませんか? 例えば、皮膚の乾燥による小じわ(特に目の周り)、かゆみ、 のど、鼻の孔、空咳など。 感じていないと思った方は、「まだ若い」と思ってOKです。 「もしかして、わたしもそんな症状が出てるわ」と思った方は、 「秋の食養生対策」をした方が良いでしょう。 梨 潤いを生み出して、乾燥による咳や痰を取り除きます。 それに、二日酔いを醒まします。 カラダを冷やすので、胃腸の弱い方は食べ過ぎには気を付けましょう。 銀杏 気管支拡張作用があります。 加熱して食べて下さい。加熱により、毒性を軽減します。 銀杏は、頻尿や遺精にも作用します。 百合根 肺を潤し、精神安定にも役立ちます。 体内が乾燥すると水分が減ります。そうなると手足が熱くなりなるので、 そんな時には百合根をお勧めします。年齢を重ねると今まで冷え症の 人が冷え症が改善されたと思うようですが、実は水分が少なくなって ほてりが生じているのです。 白木耳 水分を生み出し、美肌効果抜群です。 植物のコラーゲンと表現しても過言ではないと思います。 秋のイチオシおすすめ食材。アカデミーでは一番売れている商品です。 注意点として、決して食べ過ぎない様にして下さい。 秋は収穫の時期ですから美味しいものがいっぱいあります。 ・・・が、食べ過ぎにはご注意ください。 秋の気を十分に感じて、こころ豊かな季節を楽しんでください。 梨の豚肉巻き、白きくらげと百合根のあんかけ
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【2017.10.11】
季節の変わり目と秋の養生
皆様、こんにちは。 鎌倉薬膳アカデミーの山内です。 近頃、ぐっと秋らしくなってきました。 今週は気温も下がり肌寒い日が多くなりました。 電車に乗ると、マスクをしている人が多く見受けられます。 季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。 確かに私の周りにもこの時期多く、薬剤師をしている生徒さんに 聞いても患者さんは多いということです。 では、なぜ季節の変わり目は体調を崩しやすいのでしょうか? いくつか原因はありますが、季節が変化する時期は天候不順により 自律神経のバランスが乱れることが大きな原因になると考えられます。 私たちのカラダは常に外界の影響を受けています。 では、なぜ体調を崩す人と元気でいられる人がいるのでしょうか? 答えは、「氣」の力があるかどうかによります。 氣の力があると外界の影響を受けてもカラダの中に入ることはありません。 この「氣」は、簡単な言葉でいうと「免疫力」と捉えていただくと分かりやすいと 思います。氣を充実させておくことがポイントです。 1. 季節に合った食事を適量摂る。 2. 睡眠を取る。 3. ストレスを溜めない。 えー、こんなことですか?と思ったでしょう。 こんなことだったら知っているわ。 でも、知っている事と実践している事は大きく違うことを知って下さい。 知っていても実行しないことは知らないことと同じです。 実は、こんなちょっとした事の積み重ねで体調管理が出来るのです。 是非、実行してみて下さい。